高知・四国鉄道旅|はりまや橋と、現存天守めぐり
2026年8月16日

無印良品のデジタルチェックインスタンプを集めていた時期がありました。
2024年、メインの旅は九州一周。博多から新幹線に乗って帰るはずだったのに、ホームに立った瞬間、ふと思ったのです。
「あれ、これ岡山で降りたら、高知のスタンプも集められるんじゃない?」
気づいたときには、新幹線を岡山で途中下車していました。九州一周のつもりが、まさかの四国立ち寄り旅に変わった瞬間です。
これは、その8月の寄り道旅と、3ヶ月後にもう一度訪れた11月の四国鉄道旅、2つの高知・四国の記憶をまとめた話です。
8月|初めての高知、土佐電でがっかり名所へ
岡山で降りて向かった先は、初めての高知。
とりあえず土佐電(とさでん交通の路面電車)に乗って、はりまや橋を目指しました。よさこい節にも歌われる、高知の代表的な観光スポットです。

「日本三大がっかり名所」のひとつと言われているのは知っていました。でも、もともとそこまで期待していなかったからか、実際に見てもがっかりすることはなく。「ああ、これが噂の……」というくらいの、拍子抜けした気持ちだけが残りました。
はりまや橋から高知駅までは、歩いて移動。高知市内のあちこちにアンパンマンの石像が立っているのが目に入ります。やなせたかしさんが高知県出身ということもあり、この街はアンパンマンとゆかりが深いのだと、このとき初めて知りました。

駅前には、幕末に活躍した武市半平太・坂本龍馬・中岡慎太郎の「土佐三志士像」も。高さ約5.4m、重さ400kgという堂々とした3人の姿が、高知駅南口の「こうち旅広場」に立っています。

高知駅で、キオスクのかつお弁当
高知駅のキオスクで見つけたかつお弁当を、電車の中で食べました。ちゃんとした店で食べるかつおのたたきも美味しいけれど、旅先のキオスク弁当には、それはそれで特別な美味しさがあります。

この日は、ひろめ市場には行けませんでした。高知駅に降り立ってから、はりまや橋で旅が終わってしまったこと。がっかり名所を見て笑って終わるだけの旅だったことが、ずっと悔しく心に残っていました。
11月|3日間の「四国バースデーきっぷ」旅
「もう一度、ちゃんと高知に行きたい」。そう思っていたときに気づいたのです。「あれ、高知城に行ってない」。
高知城は、現存天守を持つ貴重なお城のひとつ。せっかくならちゃんと訪れたい。そう思っていた矢先、「四国ってどんな感じなんだろう」と調べていて見つけたのが、カコ鉄の日常さんの「【総集編】往復サンライズ+四国バースデー切符2023夏旅【7時間半】」という総集編動画でした。可愛らしい女性が、いろんな鉄道に乗って発信している姿を見て、「女性でも乗り鉄ってありなんだ」と思ったのが、決め手になりました。
現存天守の高知城を訪れること。動画で知った「四国バースデーきっぷ」に乗ってみること。ふたつの目的を掲げて、11月、再び高知へ向かいました。
四国バースデーきっぷは、誕生月の3日間、JR四国全線と土佐くろしお鉄道全線の特急自由席が乗り放題になる、お得なきっぷです(12,000円)。JR四国は赤字路線を多く抱えていると聞きます。こうしたきっぷを使うことも、少しの応援になるのかもしれません。
1日目:松山へ
まずは松山へ向かいました。(松山や道後温泉のくわしい話は、また別の記事でまとめる予定です)
2日目:宇和島経由で予土線、そして高知へ
松山から宇和島を経由して、いよいよ予土線へ。
江川崎駅は、「西日本一暑い駅」としても知られています。2013年8月には41.0℃を記録したのだとか。駅には「LOVE LOVE BENCH」というハート型のベンチもあって、暑さと恋、両方の「熱さ」を演出しているのがユニークでした。


半家(はげ)駅のようなユニークな駅名を横目に、のんびりとしたローカル線の旅が続きます。

土佐大正駅では、味のある駅舎を見たくて途中下車。予土線の制覇は、正直かなり体力を使いました。でも、車窓に流れる四万十川ののどかな景色や、途中下車した駅舎の佇まいは、車で通り過ぎただけでは分からなかった魅力に満ちていました。


予土線名物のミニ新幹線型車両も停まっていました。運転席そのままの姿で待合室になっているのだとか。「日本一遅い新幹線」なんて呼ばれているそうで、鉄道好きならずとも思わず笑ってしまうネーミングです。

窪川駅では、地元で有名なお店でランチ。本当は唐揚げをテイクアウトして、電車の中で食べるつもりでした。でも、ここまでの疲れを感じて、「これはちゃんと休憩を取ったほうがいい」と判断。店内で豚の生姜焼き定食をいただきました。夜は居酒屋になるお店のようで、定食も本当に美味しかったです。

そこから高知までは特急に乗り継ぎ。それでも疲れは抜けきらなかったのか、気分が悪くなってしまい、気づけば爆睡していました。車窓の景色も記憶にあまり残っていません。これはこれで、いつかリベンジしたい区間です。
高知に到着してから、宿へ向かう前に後免駅で途中下車。目的は、8月には行けなかったガトーベジーブルさんです(当時はまだ、今とは違う南国市の場所にお店がありました)。
「県外から来ました」と伝えると、驚かれてしまいました。いろんな種類のシフォンケーキを購入。この日の宿でゆっくり味わいました。明日への活力になる、ひとときでした。


3日目:高知城、そして憧れのOMO7へ
最終日は高知城へ。朝早くに訪れると、空気が清々しくて気持ちがいい。お城の建築的な違いはよく分からないけれど、この街の「郷土愛」の強さがひしひしと伝わってきました。きれいなお城であると同時に、偉人を称える気持ちがすごく感じられる場所でした。


高知城のあとは、ずっと憧れていたOMO7高知に立ち寄りました。星野リゾートのブランドですが、当時のお財布事情では、泊まるにはまだ手が届かず……。ラウンジや館内だけでも見てみたくて、少し足を延ばしました。四国の地図が飾られたラウンジや、本棚が並ぶ落ち着いた空間に、「いつか泊まってみたい」という気持ちが募りました。その願いは、翌年(2025年11月)の旭川のOMO7への宿泊で叶うことになります。

まとめ|がっかりと、心残りと、再訪と

8月は、九州一周のついでに思いつきで立ち寄った高知。はりまや橋のがっかりを笑いながらも、高知城に行けなかった心残りだけが残りました。
11月は、その心残りを解消するための旅。予土線を制覇し、四万十川を電車から眺め、高知城で郷土愛に触れ、憧れのOMO7で過ごす。目的を持って訪れると、同じ高知でも見えてくるものが変わってきます。
そして、8月にもたどり着けなかったひろめ市場は、2026年の弾丸日帰り旅でようやく訪れることになります。2年越しの心残りが、こうして少しずつ旅の記憶につながっていく。これもまた、旅の醍醐味かもしれません。