甲府旅|明治の洋館と縄文の交易路、そして「旅としての初山梨」
2026年8月19日

香川・津嶋神社をたどった翌日、8月5日は山梨県甲府市へ。
高松からサンライズ瀬戸で東京へ、そこから特急かいじに乗り継いで甲府入り。寝台列車でゆっくり距離を稼げるのも、ひとり旅ならではの楽しみです。

学生時代、中央線の「大月」を見ると「帰れない」と感じていたくらい、山梨は自分の生活圏の外にある場所でした。旅として山梨を訪れるのは、実はこれが初めて。「旅としての初山梨」を、甲府で実現する一日になりました。
LILY bake&coffeeで、朝のひと休み
甲府駅からバスに揺られること30分、隣の甲斐市にある「LILY bake&coffee」へ。おしゃれな小屋のようなテラス席が印象的なお店でした。
オーツミルクラテと、クッキーの盛り合わせをテイクアウト。受け取った瞬間、珈琲の香りがふわっと立ちのぼってびっくりしました。チェーン店のアイスドリンクだと、ここまで香ることはなかなかありません。
クッキーは、マシュマロチョコブラウニーを電車の中で。甘さ控えめのチョコと、珈琲の組み合わせがばっちりでした。



旅の朝は、こういう軽やかな一杯から始まるのがちょうどいい。バスで甲府駅に戻って、街の観光へ向かいます。
小作でほうとう|かぼちゃをぞんぶんに
甲府駅に戻って、お昼は「小作 甲府駅前店」で、山梨名物のほうとうを。
正直、真夏に熱々のほうとうというのはかなり迷いました。でも、店内を見渡すと、ほとんどの人が汗をかきながらアツアツのほうとうを食べている。それならと、かぼちゃほうとうを注文しました。
野菜がたっぷりで、大好きなかぼちゃをぞんぶんに食べられて大満足。夏でも、郷土料理は郷土料理の食べ方で楽しむのが正解なのかもしれません。


藤村記念館|明治の洋館に眠る、縄文の交易路
お腹を満たしたあとは、甲府駅北口の公園にある「藤村記念館」へ。
明治8年に建てられた旧睦沢学校校舎で、国の重要文化財にも指定されている建物です。擬洋風建築特有の、白い塔のような外観が青空によく映えていました。
館内に入って驚いたのが、1階の展示スペース。山梨県や新潟県で出土した縄文土器の破片や黒曜石が展示されていて、縄文時代の交易ネットワークについて学べるようになっていました。「星降る中部高地の縄文世界」という日本遺産の一部なのだそうです。
目玉である「人面装飾付深鉢形土器」は、あいにく釈迦堂遺跡博物館の企画展に貸出中とのことで見られませんでしたが、それでも破片や解説だけで十分に交易の壮大さが伝わってきました。
床に描かれた円形のマップには、こう書かれていました。
To obsidian origin 93,571 STEPS 65.5km
黒曜石の産地まで、歩数にするとこれだけの距離。縄文人が、これほどの距離を黒曜石を求めて歩いて交易していたのかと思うと、明治の洋館の中で、一気に時代が何千年も遡ったような不思議な感覚になりました。




甲州夢小路|時の鐘が鳴る、蔵造りの町並み
続いて向かったのは「甲州夢小路」。江戸時代の甲府城下町を再現した、蔵造りの町並みです。
シンボルの「時の鐘」は、その名の通り厳かな雰囲気。蔦の絡まる蔵の建物と青空のコントラストも美しく、写真を撮る手が止まりませんでした。


石和温泉で、旅の締めくくり
最後は石和温泉へ。駅前公園の足湯「あしゆ」でひと休みしたあと、シャトレーゼ石和で日帰り入浴を楽しみました。
お風呂上がりには、シャトレーゼのソフトクリームを一本。旅の最後にちょうどいい、甘くて冷たいごほうびでした。





まとめ|生活圏の外だった場所が、旅の記憶になる
学生時代、山梨は「帰れない」と感じるくらい遠い場所でした。
でも、旅として訪れてみると、明治の洋館、縄文時代の交易路、郷土料理、江戸の町並み、そして温泉。一日の中に、たくさんの時代と物語が詰まっていました。
生活圏の外にあった場所が、旅の記憶に変わっていく。そんな一日でした。